【フクロモモンガ】3大疾患 そりゃ出てたら気になりますよ。陰茎脱②
2019.11.28 -[ご挨拶]
いつも読んでいただいてありがとうございます。
獣医さんのyouと申します。
登場人物紹介
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;このブログの著者。小動物臨床に従事する獣医さん。
アンパンマンは主人公。食パンマンはイケメンキャラ。
だからせめてカレーパンマンぐらいのポジションにつきたかった。
バイキンマンのパッパです。(元ネタは前回参照)
;動物看護師長。おたまちゃんのママ。ついでに獣医師youの奥様。
ドキンちゃんほど自由人では無いので、
チーズくらいのポジションに落ち着いてくれたら文句は言いません。
(バイキンマンの心の声)
;冬眠系児童おたまちゃん。多分、お腹で床が見えていない。
よく寝てよく食べるのは良いけど、どこまでが正常な睡眠時間なのでしょう。
どこまでが正常な食事量なのでしょう。
;二匹の猫。つみれ(三毛)・うなぎ(白黒の八割れ)と呼ばれます。
例の全身毛刈りより永遠とカラーを付けられていたつみさん。
昨晩、ようやく釈放となりました。
ちょっと精神的に不安定?ナイーブ?すぎます。
今度、ちょっと試してみたいサプリがあるので結果はまた後日。
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先日、買い出しのついでにおやつを買ってくるようにお願いをしました。
おやつの趣味などは看護師さんにお任せをしたのですが、
若い子たちと私は味覚が合わないことを忘れていました
・クッキーパサパサしたもの苦手
・カントリーマ○ム恐らく上記の理由でときめかない
・おせんべい歯に詰まるから食べるタイミングがつかめない
・コーラ炭酸苦手
・ビール飲めるんだからコーラもいけるでしょそういうことじゃない
・そんなこと言うんだったら食べなくて良いですごもっともです
家だとおやつを買ってくるのは妻さんだけなので、何の不満もなくつまんでいたんですね。
私の好みのものを選んで買ってくれていただけ、という優しさに気付きました。
「そんなもの、私の趣味で買ってるだけよ」
味方とは一体。
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では、今週も引き続きフクロモモンガの陰茎脱についてお話しいたします。
いやーマニアックですね 笑
こんな生き物もいるんだなぁ、と思ってもらえると嬉しいです。
○診断について
見たまんま、陰茎が出た状態から戻らない場合に陰茎脱と診断します。
また、自咬症が併発しているかどうかの判断も重要です。
長期間、陰茎が出っぱなしになっていた場合は高確率で自咬症が起きています。
毛繕いの範囲で舐めているだけなら(正常なので)良いのですが、痛がっているなら自咬症かなと思います。
○治療はなかなか難しい
陰茎の状態によって、どのような治療をするか考えていきます。
・自咬症がなく、色も悪く無い場合
潤滑剤のようなゼリーを使って元に戻らないか試します。
少し乾燥してひっついてしまっているだけのような状況なら、なんとかなることも多いです。
・自咬症がある・先端が腫れている・完全に乾いてしまっている壊死している場合
全身麻酔をかけて、陰茎を切断する必要があります。
前回チラッと言いましたが、フクロモモンガさんのチンチンは二股に分かれています。
でも、おしっこはその2つの先端から出るわけではなく二股の股の部分(言葉では難しい…)から出ます。
その部分が壊死などで塞がっていなければ(つまり、おしっこが出ていれば)、切断しても大丈夫です。
・尿道部まで壊死してしまっている場合
かなり厳しいと言わざるを得ません。
手術で切断するにしても、止血処理を行うと尿道が塞がってしまいます。
抗生剤や痛み止めを使いながら勝手に取れるのを待つことになります。
ちなみに、どの場合においてもエリザベスカラーが必要になることが多いです。
特に自咬症がある場合は必須となります。
また、治った後にエリザベスカラーを取ると再発することもあるので、生涯カラーをつけて生活する可能性も考えておかないといけません
○手術をするなら、去勢手術も
陰茎脱の原因の1つに性的ストレスがあることから、去勢手術も行っておくべきです。
手術自体はそこまで難しいものでは無いので短時間で終わります。
○こうならないように予防できないか考えてみる
少しだけ前回を思い出してもらいたいのですが、陰茎脱の原因として考えられているものがいくつかありました。
それぞれの対処法もあげてみましたので参考にしてみてください
・偏った食事による栄養不良
食べるからと言って様々なものをあげていると偏食になって、専用フードを食べなくなってしまいます。
なので、色々なもの(美味しいもの)は普段からあげないようにしてください。
・単独飼育によるストレス
飼い主さんがフクロモモンガさんの仲間になってコミュニケーションをとる。普段から体にフクロモモンガの匂い(おしっこなど)をつけて仲間と認識してもらう。
・性的ストレス
イヌネコさんと同じように、去勢手術を予防的に行う。
・肛門腺の溜まりすぎ
定期的に肛門腺をしぼる。
(性格によるので、できるかどうかは別のお話ですが…)
こんなところでしょうか。
やはり自咬症があちこちで問題になってきてしまいますね。
元々の生活環境を再現しながら飼育するのが難しいので、ある程度は仕方ないことではありますが…
では、また来週
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“勝手にネココラム”
Q;猫には血液型はあるの
A;ありますよ
A型、B型、AB型の3種類。
そしてほとんどがA型です。B型はまれ。純血種に多いとは言われていますが…。
AB型はもっともっと珍しいです。
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余談、
今日(この余談を書いている日)は11月22日、
「いい夫婦の日」です
と、言うことで獣医師youに
「今日、いい夫婦の日なんだよ〜。」
と少しばかりの期待(アイスくらいは買ってくれないかな〜)を込め、投げかけてみました
(獣医師you、頭の中でカレンダーを思い浮かべる。)
(しばし考える。)
(11=いい 22=夫婦 ピーン!)
獣医師you「あ、そっか。なんかする?アイスくらい買って帰る?」
妻さん「」
とてもいい1日になりました
(この後、家に帰って喧嘩をしたのはまた別のお話。)
今週はここまで
最後までお付き合いいただきありがとうございます
また来週