【ネコ】腎臓病は治せる時代に?AIMって知ってますか?③
2022.2.1 -[ご挨拶]
開業して初めて連休を取らせていただいた獣医師youです。
理由は分かっているのですが、とても疲れました。
登場人物紹介
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
;筆者です。動物のお医者さんやってます。
やりたいことが多すぎるのが悩み。
世の中、楽しそうなことが多すぎます。
;動物看護師長。おたアヒママ(おたまアヒルのママ)。言いにくい。
世間知らずなので、何がやりたいとかあまり無い。
世間を知ってもめんどくさがりなので、なかなか実行にうつさない。
;なんでなんで病真っ最中の3歳児。おたまと呼ばれる。
目新しいことには何でも手を出したい。
やらせないと拗ねる。
;アヒル先生。新人2号。ようやく後頭部の毛が生えそろった1歳児。
おたまちゃんの金魚の糞と化している。
何がしたいんでしょう。
:訳あって集まって来た動物たち。
:ボールでもロープでも何でも楽しんでくれるいいやつ。
あるもので楽しむ、一番人生楽しめているのかもしれない。
病院犬のおこげです。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
開業2年半にして、初めて連休を取らせて頂きました。
大変ご迷惑をおかけいたしました。
珍しいことをやっていると、悪いことをしている気になりましたが、2日目にはそんな気持ちも忘れて楽しんでまいりました
で、冒頭にも書きましたが、やりたいことが多すぎるんです。
もちろん、全部詰め込みました。
その結果、休み明けにものすごく疲れておりました。
当然、それに付き合わされた妻さんもぐったりしていた様子。
仕事でも休みでも24時間ほぼ一緒にいるので…可哀想です
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
猫が30歳まで生きる可能性があるという
「AIM」
についてまとめています。
私自身、AIMのファンとして、獣医師としてやれることがあったらぜひ何かしたい…のですが、私のようなどこにでもいる野良獣医師が関われるようなことってないんだろうなぁ
お手紙書いたらどうかと考えましたが、研究の邪魔にならないでしょうか。
話しかけたいけど話しかけられないこの感じ、初恋に似てますね
さて、AIMは色々な動物に存在し、体にとっていらないもののお掃除に深く関係しているものだったというところまで説明しました。
AIMがしっかり働いていることで腎臓病などの病気になりにくく、また回復することもあるということもわかっています
では、なぜ多くの猫さんは腎臓病になってしまうのでしょうか
その秘密は、AIMに隠されているようです。
前回までの記事はこちら
○実は、猫ではAIMがうまく機能しない。
いや、体の中にはちゃんと存在しているんです。
でも、働きが悪い。
完全に働いていないわけでもないのですが、サボりがち。
どこの会社にでもいる人みたいな感じですね。
AIMは元々、必要になったときに必要な場所で働けるように体の中をふらついています。
ただ、ネコ型のAIMは、ゴミがあっても戦闘モードにならないらしいのです。
今のところ、何をスイッチに戦闘モードになるのかわかっていないので、どうしようもない。
困ったものです。
○猫科の動物はみんな腎臓病に悩まされる。
AIMが正常に働かないのはネコだけではありません。
トラ、ライオン、ヒョウ、チーターはみんなネコ型のAIMを持っており、その多くが歳をとると腎臓病になるとのこと。
AIMが製剤化されれば、動物園にいる動物たちも救われることになるかもしれません。
(ちゃんと定期的に投与できればの話ですが…)
○とにかく、一度ネコにAIMを使ってみた。
ここまでで、AIMと腎不全がかなり深く関係していることには気づかれたでしょうか。
腎不全のネコに、戦闘モードになっているAIMを入れたら良化するのか
多くの方が疑問に思うところだと思います。
実際に、目も開けられないほどの末期腎不全の猫さんにAIMを投与したと記録されています。余命1〜2週間と言われていたそうです。
その結果、急激に回復し、元気に動き回り、自分でご飯も食べられるようになったそうです。
○腎臓が回復した…
慢性腎臓病は末期になるとほとんどの細胞が死んでしまっています。
流石に死んでしまった細胞は生き返らない。
研究者の宮崎先生はこう予想しています。
・急激に回復したことからも腎臓の細胞が回復したとは思えない
・腎不全で血液にたくさん溜まってしまった老廃物(尿毒素)も体にとってのゴミである。
・尿毒素をAIMが掃除してくれたと考えられる。(ヒトでいうところの透析と同じ効果)
○慢性腎不全では、AIMを使用し続ける必要がある。
ヒトでいうところの透析と同じ効果なのであれば、ずっと治療し続ける必要があります。
死んでしまった腎臓の細胞を甦らせるわけではないからです。
実際、先程の余命1〜2週間と言われたネコさんは、その後1年以上生きたそうです。
定期的(1〜3ヶ月ごと)にAIMを投与し続けました。
しかし、様々な理由でAIMの投与をできなかったことで、ある日急変して亡くなってしまいます。
AIMを定期的に投与できていたら変わっていたのでしょうか。
AIMをずっと投与し続けたとして、ほとんどの細胞が死んでしまっている腎臓で長く生きていられるとは思えません。
では、30年も猫が生きるってどういうことなのでしょう
なぜこんなに効果がありそうなのに、製剤化されないのでしょうか。
次回、いよいよ(たぶん)クライマックスです。
お楽しみに
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
“明日から使える生き物の不思議クイズ
”
Q;タコの足はどこから生えている
A:頭
B:胴
C:お尻
A;
タコってイラストでよく見かけます。
特徴的なので描きやすいのでしょうか。
さて、タコの解剖学となりますが、みなさんが頭だと思っているところは実は胴なんです。
その証拠に、胃や腸といった内臓が入っています。
その胴の周りに足がついており、口は8本の足に取り囲まれるようについています。
こう書くと、頭の中でものすごいモンスターが出来上がっているように思えます。
ただのタコなんですが。
ということで答えはBの「胴」でした
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜番外編〜
「やっぱりプロは違う、なあ」
当院は月に1〜2度パピーパーティーを開催してるのですが、
その様子を時間が合うときは撮りにきてくれるペットカメラマンさんがいるんです
ちょっぴりおバカな当院の病院犬のおこげも
その方の手にかかればとっても凛々しく見えるんです
やっぱりプロには敵わないです
今週はここまで
最後まで読んで頂きありがとうございます!
また、来週