【イヌ】咳、襲来 (犬伝染性気管気管支炎:ケンネルコフ)第壱話
2023.1.21 -[症状から考えるシリーズ]
最近、咳の出る風邪に罹っていない気がしています。
喉がやられる系だと、診察で声が枯れるので仕事ができなくなる獣医師youです。
登場人物紹介
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:筆者です。お腹のタプタプが止まりません。
咳系の風邪ってしんどいですよね。
寝られないし、おっさんに拍車がかかるし。
:動物看護師長。おたアヒドグーのママ。週4日出勤です。
私の咳を極端に嫌がる。
生理現象なんだから止めるのは不可能だし、咳しない人なんていないと言いたい。
:おたま。子育てマウント系幼児。プクプク4歳半児。
:アヒル先生。2歳児。すぐ手が出る (おたま談)
:ドグーさん。離乳食なら吐かない…と思いきや、相変わらず前触れもなく吐きます。反芻系0.5歳児。
:風邪の輸入代行をやっている。自慢の直輸入の風邪はかなり強烈。
:訳あって集まってきた動物たち。
:思えば、なかなか風邪をひかない二匹。
飼い主は猫風邪菌まみれのはずなのに…。
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今更ながらですが、エヴァンゲリオンの映画を最後まで見ていないんです。
Q(3作目)あたりでストーリーについていけなくなり、映画館で寝たのは後にも先にもこの時だけでした。
時間のあるときに万全の体調でリベンジしたいと思っていますが、時間が経てば経つほど前のストーリーを忘れるのでどうしたものかと悩んでいます
「逃げちゃダメだ…逃げちゃダメだ…逃げちゃダメだ!」
で有名なシンジ君ですが、乗らないなら乗らないで早く他の人に譲ってやれよと思ってしまうのは私だけでしょうか
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ワンちゃんの感染症、第三章。
犬伝染性気管気管支炎
(ケンネルコフ)
です。
ケンネルコフって言葉自体を知っている飼い主様は多い気はしますが、実際にどういう病気なのかはボンヤリとしたイメージになってしまっている様に思います。
ペットショップなどから自宅に来たばかりの時によくかかってしまうこの病気。
どう対応したら良いのかなど、説明していきたいと思います。
○症状は、咳
多くの場合、症状は咳が出る病気です。
乾いたような咳が出て、場合によっては、むせるまで咳が続いてしまうため心配になってしまうことが多い様です。
夜間の診療で「咳が止まらないんです」と言って子犬さんを連れてくることが多いですね。
咳などの呼吸器関係の病気は、様子を見ていて良いものは少ないので来てもらったほうが助かるのですが…。
○飛沫感染をする
コロナが流行ってから、この言葉も定着してきましたね。
「飛沫感染」とは、感染動物の咳やくしゃみに含まれる病原体から感染することを言います。
ワンちゃんにマスクなんてつけられないので、保護施設やペットショップ、多頭飼育の環境で流行する傾向にあります。
特に、1歳未満の若い子で発症する病気です。
○ただの咳と侮るなかれ
そう、ただ咳が出るだけの感染症ではありません。
運動などで興奮すると咳が出て、炎症がひどくなると声がかすれてきます。
また、もっと悪化すると痰(タン)が詰まるような咳に変わり、肺炎になることがあります。
肺炎になってしまうと、食欲や元気が無くなり、呼吸困難を起こすようになります。
ただ、初期のうちは大抵元気で食欲もあるので、早めに対処することが重要となります。
○実はケンネルコフ菌なんていない。
さらっとケンネルコフって言っていましたが、実は咳が出る感染症の総称なんです。
ケンネルコフ菌とか、ケンネルコフウイルスなんてものはいないんです。
具体的な病原体としては、
・犬パラインフルエンザウイルス
・犬アデノウイルス2型
・気管支敗血症菌
・犬呼吸器コロナウイルス
・犬ヘルペスウイルス1型
・犬ニューモウイルス
・犬インフルエンザウイルス
…などなど、たくさんの感染症が含まれます。
これらのいくつかの病原体が混合感染することもあるので、注意が必要です。
『時間が無い方はここを読めば完璧のコーナー』
・とにかく乾いた咳がよく出る。
・咳や、くしゃみから感染が広がる。
・悪化すると肺炎に。
・ケンネルコフは色々な感染症の総称。
これで完璧
次回は、診断方法と治療について解説します。
放っておかずに、早めに病院へ行ってくださいね。
また来週
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知らなきゃよかった生き物の不思議
のコーナー
「鈴虫の耳は○○○にある」
鈴虫の鳴き声を聞くと、秋を感じます。
(ちなみに、鳴いてないです。羽を擦り合わせて音を出しています。)
これ、オスのプロポーズだって知ってました
子孫を残すために、可能な限りいい音を出そうとします。
ではどこでこの鳴き声を聞き取っているのでしょうか。
正解は、足に鼓膜がついています。
足を鳴いているオスに向けて聞き取っているそうです。
ちなみに、この耳はかなり簡単な作りらしく、人の鳴き真似とも区別がつかず騙されてしまいます。
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お風呂から上がったら、
「プウィンセスをさなしてます」と
上履き(おたまちゃんの)を差し出してくる、お付きの人がおりました。
「私のだと思うわ!」と、私妻さんは足を差し出しました。
「えー!ちないまーす!」と、お付きの人。
試し履きも許されませんでした
玉の輿に乗り損いました

