【ネコ】風邪ひいてるかもと思ったら大体こいつ。猫ヘルペスウイルス感染症①
2023.2.5 -[ご挨拶]
雪が降ると、逆に暖かく感じる獣医師youです。
以前、青森に住んでいた頃よくそう思っていたのですが、今ならどちらにしても耐えられない気がしています。
登場人物紹介
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:筆者です。お腹のタプタプが止まりません。
とは言っても、暑いより寒い方がまだ耐えられる。
:動物看護師長。おたアヒドグーのママ。週4日出勤です。
冷え性なので、寒いのはかなりしんどい。
:おたま。子育てマウント系幼児。プクプク4歳半児。
:アヒル先生。2歳児。すぐ手が出る (おたま談)
:ドグーさん。離乳食なら吐かない…と思いきや、相変わらず前触れもなく吐きます。反芻系0.5歳児。
:「寒いねぇ」「暑いねぇ」とはよく言っているが、真冬でも朝には謎の全裸になっている。暑がりなのか。
:訳あって集まってきた動物たち。
:とにかく寒がりなので、院内ではかなり暖かい環境で飼育されているハリネズミ。
「うに子」です。
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昨年は、クリスマスに大寒波が来ていたような気がします。
(あまり覚えてないのですが)
クリスマスには、院内のBGMをクリスマスソングにしていました。
クリスマスっぽい曲を何曲かメドレーで流しているのですが、定期的に流れる「蛍の光」。
真っ昼間から蛍の光。
クリスマスですからね
私も早く帰りたいということを察してくれているのでしょうか。
ただ、毎回タイミングよくシビアな話をしているときに流れるので、急かしている様になってしまってました。
すみません。
私のせいではありません。
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ワンちゃんの感染症が終わったら、そりゃ、猫ちゃんの話になりますよね。
ということで、猫の感染症、第1章
猫ウイルス性鼻気管炎
(猫伝染性鼻気管炎)
です
さらっと書きましたが、猫伝染性鼻気管炎と呼ばれることもあります。
ただ、どちらも定義がやや複雑(というか面倒)なのでここでは、猫ヘルペスウイルス感染症について書かせていただきます。
若い子から歳を取った子までみんなが困るこの病気、治療も多岐に渡るのでこの機会に覚えていってください。
○なんだかたくさん名前があるみたいですが…
そうなんです。
面倒と言っておきながらではありますが、簡単に説明しておきます。
・猫風邪
・猫伝染性鼻気管炎
・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫上部気道感染症
・FVR
など、様々な呼び方があります。
これは、細かい定義はありますが様々な病気の総称なんです。(犬のケンネルコフみたいな感じですね)
上記の病気を引き起こす病原体に
・猫ヘルペスウイルス
・猫カリシウイルス
・クラミジア
・その他細菌
などがあるということです。
まぁ、細かいことはいいんです。
○猫へルペスウイルス感染症
その中でも遭遇頻度が高いのがこの感染症。
今回私が書きたいのもこの感染症について。
ウイルスは、感染動物の鼻水や目ヤニなどの分泌物に含まれています。
これが他の猫に接触することによって感染していきます。
なのでくしゃみをするときは手を当てて…なんて猫さんができるはずもないので簡単に感染していくことになります。
○目と鼻がターゲット
猫ヘルペスウイルス感染症のキーワードは目と鼻。
鼻水や目ヤニが、鼻や目に触れることで感染します。(口からも感染します)
さらにくしゃみや鼻炎、結膜炎を引き起こします。
悪化すると、さらに奥の気管や肺の方へも炎症を引き起こす事があります。
鼻が詰まると、猫さんはご飯を食べなくなってきてしまうので早めに治療を行う事が重要です。
ちなみに、鼻炎がひどいと鼻血が出ます。
○場合によっては、目に深刻なダメージを与える。
上ではサラッと話をしましたが、忘れてはいけないのが結膜炎。
ただ単に結膜炎を起こすだけではなく、目に穴が開く(潰瘍性角膜炎)などで失明する可能性もあります。
穴が開かなかったとしても、目の表面が白く濁ってしまうこともあります。
子猫さんで目がぐちゃぐちゃになっていたり、目がくっついて開かなかったりするのを見たことはないでしょうか
このヘルペスウイルスが関係していることが多いです。
子猫のうちに感染する事が多いですが、適切な治療をしないと目が見えなく無くなる可能性があるのはとても怖いですね。
『時間が無い方はここを読めば完璧のコーナー』
・いろいろ名前がある病気だけど、今回はヘルペスウイルスの話。
・目ヤニ、鼻水など目と鼻に症状を引き起こす。
・結膜炎は悪化すると失明することも。
・くしゃみも悪化すると鼻血が出ます。
これで完璧
次回は、
・なんで再発しやすい病気なのか
・診断はどうやってするの
・完治を目指せる病気なのか
について解説していきます。
では、また来週
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知らなきゃよかった生き物の不思議
のコーナー
「カツオは○○○するとシマシマの向きが変わる」
カツオ、美味しいですよね。
ネギを全力で乗せてポン酢で食べる。
年に何回かやらないと気が済みません。
そんな話はさておき、カツオには頭から尻尾方向にシマシマがあります。
これを生物学的にはタテジマと呼びますが、メスを見たり興奮すると背中からお腹方向のシマシマ(ヨコジマ)に変わってしまいます。
なんでかはわかっていません。
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今回はここまで
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます!
また来週