【ネコ】風邪ひいてるかもと思ったら大体こいつ。猫ヘルペスウイルス感染症③
2023.2.23 -[ご挨拶]
いつもやや湿り気味のドグーさんに文句を言うと、笑顔で返してきます。
笑っとけばOKみたいな感じと、実際笑っとけばOKなのがずるいと感じている獣医師youです。
登場人物紹介
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:筆者です。お腹のタプタプが止まりません。
大人になると、笑ってると怒られることがあると教えてあげたい。
:動物看護師長。おたアヒドグーのママ。週4日出勤です。
休みの日はテンションが低い。
思いっきり笑える様な遊びをしたい。
:おたま。子育てマウント系幼児。プクプク4歳半児。
:アヒル先生。2歳児。プクプク系幼児2号。大体、何かで臭い。
:ドグーさん。いつでも何かで湿っている。反芻系0.5歳児。
:「これね、棒が立っている富士山だからね、行くと遊園地があるんだよ」
ある日の公園でのひと言。
何言ってるのかわかりませんが、後日、富士Qのことではないとのことが判明。
:訳あって集まってきた動物たち。
:笑っているように見える、こともあるハリネズミのうに子。
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私の朝一の仕事は、湿ったところを片っ端から掃除することから始まります。
やや腹立たしいので、今回は朝の問題児たちのご紹介のみとさせて頂きます。
「本日の収穫物とその生産者」
:おむつをしているはずなのに、リビングで全力のお漏らしをする。朝から足回りビチャビチャモンスター。
:やや風邪気味なこともあり、全身の穴という穴から全ての体液をばら撒く笑顔のエイリアン。
:超潔癖なため、トイレの砂に一切手を触れたくないらしい。ウン○チもシッコも隠さない悪臭ばら撒きキャット。
:その全てを逐一報告してくれるありがたい取り巻き。飽きると、他人の都合は気にせずご飯を作れとせがむ。
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厄介な感染症のお話をしています。
治りづらし治り切らないという大変な感染症です。
ということで、猫の感染症、第1章
猫ウイルス性鼻気管炎
(猫伝染性鼻気管炎)
のラストです
前回のお話
【ネコ】風邪ひいてるかもと思ったら大体こいつ。猫ヘルペスウイルス感染症①
【ネコ】風邪ひいてるかもと思ったら大体こいつ。猫ヘルペスウイルス感染症②
風邪なんだから、注射したりお薬飲めば治るでしょ
と思っているそこのあなた
獣医師泣かせですので、やめてあげてください
○診断ってどうやるの
そういえば、特別な検査もされずに風邪ですね…って言われたような
という方も多いはず。
それもそのはず。
「症状から推測されることが多い病気」だからです。
もちろん、しっかりとした検査もあります。
口や鼻、目からの拭い液を使ったウイルス検査や、PCR検査、抗体価検査です。
ただし、偽陰性(感染しているのに陰性と判断される場合)や偽陽性(感染していないのに陽性結果が出る場合)があったり、時間がかかったり、それなりに費用がかかったり…とデメリットもあるため全ての風邪が疑われる場合にやるわけではないのが現実です。
○治療は様々な角度からやります。
重症度や、どんな治療なら受け入れてくれるかを考えながら治療を選択していきます。
・抗ウイルス薬
インターフェロンやファムシクロビルといったお薬がこれに当たります。
ウイルス感染ですから、抗ウイルス薬を使う必要があるのです。
(抗菌薬はウイルスには効かないです)
ただし、全身的に効果が出てしまう、裏を返せば副作用が出ることがあるので注意が必要です。
・抗菌薬
ウイルスには効かないって言ったばかりなのに…と思いましたね
二次感染と言って、ウイルス感染により他の感染症にもかかりやすくなってしまっている場合があるので、それを防ぐために抗菌薬を使用することがあります。
・点眼、点鼻薬
症状が目や鼻だけの場合、ピンポイントで抗菌薬や抗ウイルス薬の入った点眼・点鼻薬を使用することがあります。
病院によって内容は様々ですが、本人たちが嫌がること以外は副作用も少なく、仔猫さんにも使用しやすいものです。
・ネブライザー
薬液を振動で霧状にして、その霧を吸ってもらうことで症状が出ている気道全体に薬を効かせるという治療です。
気道の乾燥予防にも効果があります。
重度な場合は連日やることがあります。
他にも、食欲や口内炎など症状によって治療を検討していきます。
○結局、いつまで治療するべきなのか
簡単にまとめると、症状が治まるまでは全力で、症状がなくなったら再発予防を行なっていくと言ったところでしょうか。
一般的には、10~20日で症状は改善が見られると言われていますが、一部は慢性の鼻炎や結膜炎、副鼻腔炎になってしまうことがあります。
また、生涯を通して完治することが難しい病気なので抗ウイルス剤の入った点鼻薬を継続して使用していくなどのケアが必要になるかもしれないと考えておくべきでしょう。
『時間が無い方はここを読めば完璧のコーナー』
・見た目だけで診断することもある。
・もちろん、PCR検査や抗体価検査もやることがある。
・治療は飲み薬、注射、点眼点鼻薬、ネブライザーが基本。
・生涯を通しての治療になる可能性もある。
これで完璧
なんか大変な病気だなぁ、と感じていただければ幸いです
次回はまた別の感染症のお話になります。
では、また来週
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知らなきゃよかった生き物の不思議
のコーナー
「クジャクの羽は、実は○○○」
クジャクって綺麗ですよね。
動物園なんかでたまたま羽を広げているのを見れた時にはラッキーと思ってしまいます。
あの羽、オスがメスにアピールするときなどに使うわけなのですが、空を飛ぶにも動き回るにもとにかく邪魔。
羽を広げているときに強い風が吹いた時には、転んでしまう始末。
おしゃれは我慢、なんですね。
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